コラム

ハリー・リースのレッスン

学生のころから来日プレイヤーの公開レッスンはよく聴講した。

その中で衝撃的だったのは、ケルン放送響の首席トロンボーン奏者だった

ハリー・リースのレッスン。

受講生はダヴィッドの小協奏曲で受講したのだが、

冒頭からピアニストに対するレッスンに。

和声進行に対する駄目出し。

やっとトロンボーン独奏が高らかにEsの音を吹き鳴らすとこれもダメ。

ここはEsを大きく鳴らすのではなく、EsからBに向かう音楽だという。

確かにそうだ。EsはむしろクレッシェンドしてBを鳴らして減衰した方がいい。

長年「できる限りEsを大きく鳴らしなさい」と教わってきたから

カルチャーショックだった。その後の解釈もその連続。

以来、楽器ではなく音楽のレッスンを聴こうと心に決めた。

 

2013年6月11日  佐伯茂樹


2013-06-11 | Posted in コラムNo Comments »